2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

能動的なファッション

女性が自分の体を飾るのは、服、アクセサリ、化粧品、仕草、持ち物の取捨選択があり、そのために多くの時間とお金を費やすという、本来は全くもって能動的な行為です。多くの労力を費やしたにもかかわらず、能動的に「見せる」ファッションを選択できる人は…

二次元、三次元

ではミュシャの作品において、女性を受動的たらしめているのは何なのか。それは絡み合う曲線や繰り返されるモチーフの、あるいは日本の掛け軸を真似た額側の装飾の、二次元性です。二次元は三次元のものより、視覚的に強く人にアピールします。表現の方法と…

ポスターガール達の生態

夢見るような優しげな表情でこちらに目線をくれる彼女たちは、その美しさを能動的にアピールするような強い性格のものではありません。彼女たちは「見せる」存在ではなく、そのかわり受動的に「見られる」存在であることをアピールしています。観衆の視線が…

イメージキャラクター

ミュシャが描いた女性像群というのは、産業史において世界初の「イメージキャラクター」だったと思われます。 ミュシャは1894年偶然製作したポスター「ジスモンダ」で主演のサラ・ベルナールを描き伝説的なデビューを果たしました。これによって演劇の興…

フェミニズムから重要な事件

過去日記からの引用 「それまでの踊る踊りではなく、見る踊りを作り出したムーラン・ルージュ。それに倣い、それまでの社交によるアピールではなく、肉体によるアピールを打ち出した女優サラ・ベルナール。余剰生産の貨物が入り乱れオリエンタリズムのありと…

背景

ミュシャの活躍した時代である19世紀末〜20世紀初(ベル・エポック)のフランスへの興味には勉強が追い付かないのですが、大きな歴史の流れで見て、この時期を境に産業においても文化においても爆発的な変化が起きたというのは誰しも認めるところのよう…

作品について

会場について

本邦初公開の小品が数点あったものの、スラブ叙情詩などの大作が無かったのはやはり物足りない感じがしました。特にテンペラ画は一枚もありません。「生涯と芸術展」の時は見に行くたびテンペラの「演劇芸術のアレゴリー」を楽しみにしていた私は、あの絵に…

アルフォンス・ミュシャと女性の美の変化

上野都美で巡業中のアルフォンス・ミュシャ展に行きました。物心ついた頃から好きな画家なので、せっかく近くに来るならと旧友に会いにいくような気持ちで行きました。なんとも変わらない友達です。

空虚

埋めるべき空白を目の前にして、断片をいじりまわしながら呆然と時が経つほどに、私には人に伝えたいことなど無いのだと思い知らされる。 喉から手が出るほど誰かに話を聞いて欲しい。でも本当に話したいことはいつまで会話を続けても形にならない。なぜなら…