2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

コーランはどうなの

さて、ここまで書けば避けて通れないコーランですが、翻訳禁止です。日本語訳はありません。しかしコーランがどうして神の言葉そのものだと信じられているかというと、それはその文学性の高さゆえで、人間には到底到達することのできない筆致だからと言われ…

秩序と混沌

ユダヤの聖書がもたらすのは整然とした秩序の世界です。代々受け継がれることに大きな意味があり、永遠を思わせることでしょう。ある規則に従って動き、そのまま永遠に変わらない社会・世界に生きることを想像してみてください。人間が今後もずっと今と変わ…

人生の辞書

人生において悩みや問題にはち合った時、聖書をひくと自分が何をすべきか、本に導きを求めることができます。子供は成長にあわせて聖書を読みすすめ、そのページにはその年代に合ったクエッションとアスクが待ち伏せていたかのように書かれています。 今手元…

ユダヤ教聖書

ユダヤ教聖書は基本的に門外不出であり、ユダヤの子供には洗礼と同時に一人一冊与えられるそうです。それを一人で何十年も使っていくそうです。さぞや立派な装丁で、使い込んだ味わいが何とも言えない素敵な本となるでしょう。孫が祖母や祖父からその一冊を…

聖典のある暮らし

どうせわけがわからないだろうからと、パラ見で終わりの予定だったマハーバーラタを読んでいる所を、ネパール人の知人に見つけられてしまいました。すると「すごいね!勉強家だね!あなたってそういう人だったの!素晴らしいわ!最高!」不意打ちの大絶賛。…

データを少し

Ka¨the Kollwitz(aにウムラウト) ドイツ人ドイツ生まれの女性。生年1867、没年1945。絵と版画と彫刻を残した。 下の最初の画像について一言。題は「夜の戦場」。息子を求めて累々たる屍の面ひとつひとつにカンテラをかざす老婆。

母、ケーテ

話が逸れました。政治的な意義や作為は抜きにして、戦争と切り離して見てもケーテの作品は素晴らしい。ケーテは戦争を描こうとはしませんでした。反戦のポスターを頼まれた時は数枚描きましたが、どれもこれも特定の誰かを悪だ善だと指差すものではなく、貧…

血の碑

ケーテの暗黒は、ナチス後のドイツの深い反省を象徴するものであり、現在のドイツ社会の内省に満ちた成熟を文化面から支えているといいます。ケーテの作品は、多くの血と涙を流した経験の碑です。二度の大戦がどれほど深く人々を傷つけたのかが刻まれていま…

素人にはおすすめできない

ケーテ・コルヴィッツを万人におすすめすることはできません。ケーテの作品から低く響くうめき声は、見る者の心を引き裂きます。綺麗な女の涙が好きな人や、砂糖菓子でできた悲劇が好きな人には、ケーテの作品は正視に耐えられません。見なかったことにして…

戦慄

つくば県立近代美術館にて開催中のケーテ・コルヴィッツ展に行きました。コルヴィッツは前回ご紹介したバルラハとは反戦の同志であり、また芸術家としてのよきライバルでもあり、互いの作風に深い影響を与え合ったと聞きます。私はこの展覧会にバルラハの面…