クリップ「グノーシス」1

本来の意味は、ギリシャ語で直観的に得られた知識のことだが、キリスト教における初期の異端のこと。1945年12月にエジプトで発見された「ナグ・ハマディ写本」は、グノーシス派のもっとも貴重な情報である。10冊以上の文書から構成されている。
グノーシス派自身がいくつかの有力な宗派から構成されており、また思想的なことを的確に述べること自体が難しいという理由により、グノーシス派のことを包括的に述べるには、かなりの困難を伴う。しかし敢えていくつかの特徴を述べる。
真理は教えられるものではなく自ら探求するものであると考える傾向がある。
形式的な通常の位階制度を持たなかった。例えば礼拝の時の司祭は、その場でくじ引きで決める。
12使徒に含まれないマグダラのマリアを高く評価する。
正統派とは違って、女性蔑視の傾向から免れていた。
知識を重視する傾向がある。エデンの園のアダムとイブの話においても、蛇が二人に知恵を授けたとして、この話を肯定的に見ている。
世界を創造した者を真の神と区別して否定する。このことから目の前の現実よりも、精神的なことや来世を重視する傾向がある。