彫刻ってよくわからない

バルラハはドイツの芸術家です。1870年生、1938年没。彫刻と版画と戯曲を作りましたが、特に彫刻が素晴らしいです。
彫刻になじみのある人というのはごく少数派だと思います。私もバルラハを知るまで彫刻に全く興味がありませんでした。というか、今だにバルラハ以外の彫刻にはほとんど全く興味がありません。「考える人」なんて、あんなに力んで考えるなんて不自然極まり無いじゃないですか。いかにも西洋的、ルネッサンス的な力=美という感覚がわからない私に、ロダンなどの近代彫刻の良さはわかることは無いのかもしれません。

アニメチック

バルラハの作品には技巧を見せびらかすような筋肉の描写などかけらも無く、単純な(もちろん、しかし計算し尽くされた)曲線で構成されており、人物の頭身が低めです。下の画像を見て頂ければわかる通り、アニメチックですらあります。貧しい人々の飾り気の無い自然な姿という東洋的な題材が多く、(その作風のためにナチスからの酷烈な弾圧を受けたほどです。)これほど日本で人気の出そうな彫刻家は他にいないと思われます。とりあえず画像を見て下さい。

評価

バルラハの彫刻はもちろん、戯曲の評価もヨーロッパではとても高く、この時代のドイツの戯曲で今だに上演されるのはブレヒトとバルラハだけだそうです。邦訳がまだ一つも無いので、このバルラハ展を機会にどこかで出してくれないかなあと思っています。