タナボタ本願

仕事を丸一週間休むことにした。信じられない贅沢だ。
全くの気まぐれによって、置屋の料亭に「今週いっぱい行けません」と言ってみた。
けっこう文句を言われたけれど、気まぐれが根拠だけに私の決意は固く、通った。
予定は立てないことにした。「何もしない」という予定すら立てない。
一週間の間に何か楽しい出来事が起きて欲しい。
買ってもいない宝くじが当たるとか。

私たちはいつも待っている。ウサギが歌を覚えるのを。蛇に羽が生えるのを。