漫画が好きでたまらない

おとといはアマゾンから
山本康人  「結婚星」1、2、3巻
安野モヨコ  さくらん
ぽん竜太   ぽん’s百景
が届いて、きのうさらにコンビニで
月刊チーズ
ペンギンクラブ
週刊少年ジャンプ
そして今日
バサラ 全巻
を入手。
毎月の漫画費を三万円以内くらいに設定しているのにいつもこんな調子で散財。

山本康人の「結婚星」は最高に面白い!
異常な激情描写、ミクロ単位の絶妙な表情、奇々怪々な住人たち、クールでスケベなかっこいいヒロイン。
ありえないくらい露骨に矮小な瞬間に「間」や大ゴマが来るのが、背中をツンツンされるような気持ち悪くて良いかんじ。
他では絶対に味わうことのない奇特な時間軸は、きっと多くの人と共有したくなるので、読んで下さい。
作品自体はのびのびとして、特定のマジョリティあるいはマイノリティへの切迫した帰化願望などが感じられないので、他人の汗が嫌いな現実逃避派オタクにも非常に心地良く読める。
またオタクの方でもエログロや、ネガティブで無意味な精神分析に飽きた人には特におすすめ。
ポジティブで有意義な狂気に、知らず知らずのうち激励されてしまいます。
どうしてこんなに面白い漫画が常にアフタヌーンの巻末に置かれ、しかもおそらく打ち切られてしまったのか、全く理解できない。残念です。ぜひまたこの作者に連載を描いて欲しいです。


週刊少年ジャンプは毎週土曜日に早売りゲットです。
SBRが連載始まって以来一番面白い展開。ジョジョの三・四部が最高潮だと思っていたけれど、今回はさすが、荒木氏には唸らされました。絵が変だの台詞にカッコが多いだの、いつも負の先入観にさらされる荒木作品ですが、その本質は王道すぎるほど王道を行く「主人公かっこいい主義」にあると思います。
決して王道的なソレをパスティーシュにしたり、あげつらったり、卑下したりしない、断固たる英雄主義。
その潔さが、清々しい。

ちょっと話は変わりますが、以前、荒木氏がインタビューでおっしゃっていたのが、
「登場人物の顔が同じになるのは、当然だ。
どんなに絵が上手い作家でもそうなる。
だって美学は一つなのだから。」(うろおぼえ)
で、非常に感動した記憶があります。

一つのセクシャリティというか、魅力的な人物類型を、たったひとつでいいから、
打ち出せるかどうかが、漫画家が売れ続けるか否かを決定しているように思う。
そしてその人物像のモチーフは繰り返されればされるほど定着し支持もされる。
なんだか馬鹿馬鹿しい気がするわ。
高橋留美子や、高橋葉介なんかがわかりやすい例だと思う。
作家だと中上健次ブコウスキーなんか作品自体がファンブックのようだ。
多分、売れるためには同じキャラクターを繰り返すことがある程度必要になるんだろう。
作家を同じキャラに粘着させるものはいろいろ、お金欲しさだったりコンプレックスだったり愛だったりとあるだろうけれど、同じものは描きたくないという人もたくさんいると思う。
たとえ「早乙女乱馬」や「夢幻魔実也」みたいな素敵な人物が出てくる作品があるのに、作者がそれを繰り返し描かないことによってその作品と出会えないというケースがいっぱいあるんだろうな。
と思って無名の漫画を買いあさって何の収穫も無いまま財布だけが軽くなったりするのよね。