弱る

koikeakira2004-12-18

鳥類が弱るのは死ぬ時だけだ。
死ぬ1時間前まではどんなに苦しくても普段と同じように羽をばたつかせて鳴く。今まで手負いの状態を拾ってきて死を看取ったことのある雀、アヒル、カラス、ヒバリ、文鳥、ハトはみなそうだった。これに当てはまらない鳥もいるかもしれないけれど、上記の鳥達は本当に突然死ぬ。
動物が、精神や肉体の揺らぎをを他人に悟られたくないのは弱ったところを狙われないようにという本能的な、自然な反応だ。
人間は複雑怪奇な動物なので、鬱や精神のダメージを誇張して他人に訴えて言い訳にしたり依存する人もいる。
私が一年ほどひきこもりをした時は、綺麗な花を咲かせた植木鉢みたいに、自分の傷に毎日水をやり、観賞し、大事に育てていた。その時の感覚をまだ覚えているので私はヒッキーを叩こうとは思わない。
私がそうしていたのも、自己の精神は何があっても揺るがされてはいけないという信念があり(この信仰はいまだに続いている)、またその信念によって自分は絶対に揺るがない、という世界設定が崩れたからこそだった。私は一気に崩れ落ちた。本能の崩壊のようだった。
精神の揺らぎを悟られたくないなんていうくだらない強がりは、他人に迷惑をおよぼすことにもなるのでさっぱり捨てたけれど、弱みを他人の目に晒すべきではないという考えは、子供を産んで取り戻した。