個人の世界の整合性

さて、いろんなものの安定のスイッチが「on」になっていれば人間は安心するのかというとそうではなく、安定と安心は実は別物で、ある程度の環境の不安定が心の安定を支えているのです。
私自身も同じ生活を一年続けていると不安になってきます。この不安は幸せになりたいのになれないトラウマなどというつまらないものに根を成すのではなく、自分の本領を発揮できる世界にいたいという、マズローの欲求段階の最高次にあるものがそうさせるのです。ブコウスキーは帰る場所も無い過酷な状況に安心感を得て、そこに居続けました。彼は生きている間に本が売れたので、そこから抜け出すこともできたのに。世界のどこが整合していて、またどこが不整合していればよい環境と言えるのかが、個人によって違うのです。これも萌え属性のように、やろうと思えば限りなく細かく自分の理想の整合スペックをon/offにすることができます。