夕方のニュースのワイドショー化

7、8年前までは各チャンネル揃ってNHKのように真面目に放送されていた夕方のニュースですが、近頃はどんどんワイドショー化されて、一定のパターンが完成しています。
「超危険!民家に巣が!スズメバチ大量発生」「深夜の繁華街を徘徊する少女たちその行方は」「実録!訪問販売の罠!あなたも狙われている」こんなふうに毎回毎回変わらないテーマが繰り返されて、一体誰が見ているのだろうと思いつつ、その私が見ていたりするのですが。
サラリーマン達がみんな忙しくなって6時までに家に帰ってこれなくなったので、ターゲット層が変わったという事情もあると思いますが、それにしても低俗になりすぎています。マスコミなのに社会性が無い。制作者達が「こういうのが見たいんだろ」と視聴者を小馬鹿にしている様子が見えてくるようです。わざとらしく大騒ぎするレポーターを張り倒したくなったりしませんか。
なぜニュースを見るのか。コメンテイターと憤りを共にしてカタルシスを得るためという人もいるとは思いますが、私は世界の出来事の事実が知りたいだけです。冷酷ですが、どんな出来事でも事実は事実であって、そこに温度はありません。温度は事実を受け取った私が、私の考えに基づいて私の中に生まれるものでしかありません。あらかじめあたためられたものは、イスやつり革同様気持ち悪くてかえって受け取りにくい。知識や情報は、ひとつひとつは無機質なものだと思います。それらをつなぐシナプス部分に温度がある。