空虚

koikeakira2005-02-12

埋めるべき空白を目の前にして、断片をいじりまわしながら呆然と時が経つほどに、私には人に伝えたいことなど無いのだと思い知らされる。
喉から手が出るほど誰かに話を聞いて欲しい。でも本当に話したいことはいつまで会話を続けても形にならない。なぜならそんなものは存在しないから。
あなたも私も好き勝手に動いているだけだし、何があっても結局人は好き勝手に動くしかないのだ。あなたも私も。

こんな時私があなたに言える真の命題は一つだけだ。
「私は、あなたに何も伝えたいことはない。」
時間稼ぎの会話を取り除いて、真実だけを言おうとすればするほど、おそろしく他人に無関心だという自分の本性が暴かれる。本質的に、他人に興味が無い。こんなにひどいことってあるだろうか。
どんな狂人だったとしても、「あなた」に興味が無い私を受け入れて愛してくれる人などいないだろう。それでもその人を求めている。解っているから、自分の虚を忘れるようにするか、忘れられない時は隠すようにするようにする。この事実を隠そうとしながら会話をする時は、ぎこちなくて苦しい。向かい合って、自分のが傍らに落ちているかのように明らかな私の罪に、気付かぬ人がいるとは思えない。
本質的に私は「あなた」に興味が無い。それでも私は「あなた」に幸せになって欲しいと思うし、その手伝いができるなら何でもするという気分の時だってある。持って生まれた自分の不誠実さは、それを隠そうとする努力で埋め合わせることができるのだろうか。興味は無くても、私は「あなた」がいるだけで嬉しいのだ。

プログラムのバグを見つけるように、言語化することで自分の不良パーツを切り取って捨てること。それができたら。