絶滅危惧植物展に行ってきました

筑波大学実験植物園で、日本の絶滅危惧植物展示なるものをやっていると聞いて行ってみました。

種が一つ途絶えることは、人間にとってはもうデメリットでしかないわけで、
環境の観点からは生態系の柱の一つを、
化学の観点からは新薬・新素材の原料の一つを、
芸術の観点からは人間の感性を育てる風景の一部分を、
失うことなくなるべく多く貯金しておきたいという偏執的欲望の発現として保存に巨費を投じつつ、一方でその破壊活動には4ケタ5ケタ上の税金が惜しまず注がれております日本の皆様お元気ですか。私はめっちゃ元気です。誰も私の絶滅を危惧してくれません。

タイワンホトトギス


ハナコミカンボク


ナガバサンショウソウ


日本の草花のなんと奥ゆかしいことか、まずサイズが小さい。色が淡い。細工が細かい。
こういった風物が、特に注視せずとも、日常の風景で目の端々に映り、無意識へ入り込むことで、感性を形成しているのだと常々思います。
ああ、この造形が無くなったら困る。代わりに誰が何をしてくれるというのか。この草花は、もはや消えたも同然のもの。
「愛撫とは、それ以上は無いほどそこにあるものを、不在として愛でる焦燥である」
絶滅危惧種で無かったら、普通に踏んで歩いてますな。


絶滅危惧されていないどっかの南国の花



上に同じ

こうやって売りのある植物はいいよね、わかりやすいから大事にしてもらえて。
私もそういう風に器用に生きたいんだぜこのヤロー


県道沿いでテングダケ発見

今日見た植物の中で一番惹かれるのも、親近感を覚えるのも、こいつだ。
空気の悪い道路沿いの、水はけの悪い半端な広さの植え込みに、ドロリとまどろむ瘴気。
さして珍しくも無く、しかし過剰に毒々しい。私を例えるならテングダケ

あ、北海道にも行ってきたので、その話もそのうち書きたいなあ。