カミュ「シーシュポスの神話」という本

カミュはこんな精神の荒野をl'absurde(不条理)とよんだ。
「真に重大な哲学上の問題は一つしかない。自殺ということだ」とこの本は始まる。
「(ガリレオの例を出して)地球が太陽のまわりを回るという真理が、真理だからといってそのために火焙りの刑に処せられるだけの値打ちはなかった」
「人生が生きるに値しないということは、死ぬ理由にはならない」
自殺願望者の必読書だと思う。真理を求めて自殺をしようとしていた私は、その前にカミュの言葉を論破する義務があると考えた。しかし私にはできなかった。それがカミュの思惑だった。