2005-01-13から1日間の記事一覧

ファンタジーとしての鬱や繊細さ

ボンテージや刺青、ピアス、肉体改造、パンク、ゴスなどのファッションには死に近いという共通点がある。死は観念をファッションにするという意味では最も成功している/成功しやすいテーマだ。それに著しく記号化されている。ファッションは内部の記号化な…

自殺願望の高慢

不条理は人をひきこもりにもさせるし、精神病院にも向かわせたり、自殺にも追い立てる。実は少し敏感な人なら誰もが体験するようなありふれた感覚にもかかわらず、不条理にはその孤独感、疎外感から自らを特殊だと自覚させる罠がある。孤独であることと特殊…

原始人

これについては結局、Fの一言が一番まともな言葉だった。 「原始人なんかイノシシ追っかけるのに夢中で自殺なんて考えやしないよ。ヒマだからそんな事考えんだよ。この閑人。」 あまりにも当たり前に言われてしまったので、私は笑った。

カミュ「シーシュポスの神話」という本

カミュはこんな精神の荒野をl'absurde(不条理)とよんだ。 「真に重大な哲学上の問題は一つしかない。自殺ということだ」とこの本は始まる。 「(ガリレオの例を出して)地球が太陽のまわりを回るという真理が、真理だからといってそのために火焙りの刑に処…

鬱とよばれるもの

十六才の時、真実など何所にもないということを知った絶望で一人で暮らしていたワンルームに引きこもった。(家の事情でその部屋を与えられていた) 癒しようのない深い疲れだけが体を支配して、体中を膜のように覆い、私と空気を隔てた。それは本当にひどい…