執着への抑圧

萌えには実は、執着への抑圧という構造も含まれているように思えます。つまり、そのキャラクターに萌えていて得られる感覚や幸せを、他の対象、例えば生身の人間でも得られるのだということに無意識的に気付いている。そしてそれを否定しようとする無意識的な抑圧がある。こんなことを書くと感情的になって怒る人がいそうですが、感情的になるのは抑圧を指摘された人の一番ありがちな反応でもあります。
人を一人のキャラクターに《必要以上に》固執させるのは、キャラそのものの魅力というより、キャラが存在する世界への憧れや現実世界からの逃避のはずですが、それをキャラの魅力によるものだとする目くらましも「萌え」の要素だと思います。