意識下の平和

「お客さまは神さま」は少し前までの日本でしか意味が通らない。この言葉が名言として広く受け入れられるためには、全ての人が平等であるという無意識的な認識があり、それを支える社会環境があった。だからこそこの身分の差を明らかにする言葉が新鮮に響いた。一億総中流は生活レベル以上に意識レベルの話でもあり、こうした意識を持っていられた時代は平和で良い時代だった。通常ではあり得ない、近隣諸国の犠牲の上に成り立っていたバビロン。日本が空に浮かぶラピュタだったら、バブル前後はまさにユートピアと呼べたものだっただろう。