ショーケース

カエターノの客に限らず、このようにプレイヤーをショーケースに入れてテレビを見るように観る感覚の持ち主が増えてきていると常々思う。コンサートでも、クラブでも、演劇でも、話し掛けられても答えらない傍観者たち。彼らは従順でわかりやすい「消費者」だ。あるいは、何でもかんでも鑑賞の対象にして、自分は客観的な批評者であるという優位的なスタンスを怖くて手放せない、知的怠慢を犯す臆病者。あるいは単に「参加している」という責任から逃れている子供。いずれにしてもロクなもんじゃないと思う。