FF12のモンスターはまだ二次元にいる

FFのモンスター達は姿は立体でも、存在のありかたはまだ一枚絵のままです。
窮鼠猫を噛むという言葉の通り、動物は瀕死になると突拍子も無い行動に出ます。特攻したり自殺したり、戦いの相手に対して思いやりを見せたり、メッセージを残したり。普段は何も考えてなさそうな動物が、その時だけは人間並みの知力や異常な力を出すのを何度か見たことがあります。その時鬼気迫る迫力といったら。またその多様さといったら。瀕死の動物が相手なら、私は猫にすら勝てる気がしません(筋力も知力も)。

叩かれて叩かれて、あがきもせず音も無しに死んでいくモンスター達には、生きる気力は無さそうに見えます。生に対する執着がゼロです。何事も無かったのようにパタリと倒れて消えて行く様を見ていると、何かものすごく違和感があってシラけます。ボス敵が相手で迫力のあるムービーが入っても、死ぬ直前のあまりの平然とした様子にかえって貧乏臭さを感じてしまいます。

二次元の頃にはこのような違和感や白ける感じを受けることは無く、モンスターを次々消し去るのに夢中になることができました。
二次元の頃はモンスターをコンピューターだと認識していたのに対し、三次元になってからはモンスターが目の前をウロウロするようになったので、私の脳味噌はどうしても「生き物」だと認識してしまうようです。
作り手側が「モンスター=一つの小さなプログラム」ということをプレイヤーに忘れさせようとすればするほど違和感が増していくのかもしれません。その最後が生き物らしくないゆえに。