ペンペン草

koikeakira2007-04-23

祖母の形見に一輪挿しの花瓶をもらいました。
そこへ娘が
「仕方無いなあ…だいじな葉っぱなんだけど…マミィにあげるよ、これ」と、もったいぶりながらどこからか引っこ抜いてきたペンペン草を渡してくれたので、私もオーバーリアクションで有難がりながら頂戴し、戯れに花瓶に挿してみました。

…うぼあぁっ カッコイイ   な に こ れ  !!!
もう、詫びてるわ詫びてるわ、寂びてる寂びてるわ。


当たり前の話ですが、日本なら日本の、土地特有の植物・自然物の造詣は人の感性に入り込んでいると思います。工芸品はもちろん美術にだってそれが現れて、具体的には仁王像のバックで燃えている炎は、モッコクの木の枝ぶり以外の何がモデルだと言うのだろうかと思うくらいです。勝手な思い込みですが、そういうものが私の中にたくさんあります。あの絵の空のグラデーションの元ネタは鯖、とか。

ペンペン草なんてのは最も目にする回数の多い植物であって、海の向こうの絵を鑑賞するなんていう小知恵を身につける以前から知らず知らずのうちに私の無意識に入り込んで蓄積されてきたペンペン草が無数の塊となって私の中で生きているはず。

そんなペンペン草のことを今まで意識の表層へと上らせて来ずにきたことのツケは大きく、今日花瓶に挿されたペンペン草との再開の感動はなんだかものすごいものがありました。娘に感謝。子供がいるって素晴らしい。