墨田区の最近について

一年越しの更新となってしまいました。何するわけでもなく、日々忙殺されていました。
今日は、情報共有のために地元墨田区のことについて書きたいと思っています。

今日、墨田区役所の教育委員会の公開審議を傍聴に行きました。
ある請願書が審議されたのです。
墨田区が伝統ある図書館を2館(寺島図書館、あずま図書館)を潰すというので、住民から反対の声が上がり、狭い地域で6000筆以上もの署名を集め、図書館存続の請願を提出したのです。
私も親戚や友人など色々な方にお願いして筆を集めました。
廃館されようとしている図書館は、私は小さい頃から通っている古く落ち着いた匂いのする素敵な建物で、今は娘と一緒に週に一度通っています。溢れるような幸せの時間を過ごせる空間です。
結果は、不採択でした。
最初から決まっているような審議でした。

私は墨田区の出身で、ここで生まれ育ち、子供を産んで墨田区に還ってきました。地元で子供を育てたいという気持ちはとても強くありました。この街が小さい頃の私を見守って育ててくれたように、これからは私が見守る番だと思っていました。
しかし、再開発で情緒ある町並みが軒並み破壊され、行政の失策でこの地域の良さがどんどん失われていくにつれ、次第にこのこだわりは薄くなってきていました。そして今日はっきりしました。もう、墨田区にいる理由は無いと。子供のためを考えたら、むしろこれからどこへ引っ越そうかと考えています。

墨田区教育委員会はめちゃくちゃです。子供たちにとってはむしろ害悪ばかりです。図書館の一軒のみならず、公立小中学校の教諭に無意味な調査などの仕事をたっぷり増やして、先生たちが放課後に生徒たちと一緒に過ごす時間を完全に奪ってしまいました。墨田区を支えている企業や医師などの子供たちは、知る限り誰一人として墨田区の学校に通っていません。他の行政にとって、墨田区は悪い見本です。

教育への意識がデタラメなことに加えて、ここ数年の墨田区東武鉄道と肩を並べて再開発に夢中になっています。情緒ある町並みを無計画にぶち壊し、誰も使わないのに維持費が異常にかかる両国のファッションセンタービルなどを建てています。休日なのにうすら寒いくらい閑散とした大きいショッピングモールが大好きで、錦糸町にも曳舟にも作ってくれました。テナントはもちろんみんな赤字ですが知ったこっちゃありません。また、再開発地域にタワーマンションを建てましたが入居者はほとんどおらず、築2年にして廃墟マニアが来る有様。もういっそ税金を東武鉄道に寄付して良いから、建物は建てないで欲しい。

そこへきて第二東京タワー…
行政を担う某所では、このタワーは「山崎タワー」と呼ばれています。
墨田区長山崎昇が個人的な趣味で無理矢理ひっぱってきた事業というニュアンスです。
巨額の建設費を投入して建設中のタワーの足元では、地元商店街のメンテナンスは全くされておらず、個人商店は次々と潰れ、道路はいいかげんな建設会社に喰い荒らされてツギハギだらけのボコボコ。5階建ての巨大なパチンコ屋が騒音をかき鳴らし、隣の高い技術を持った町工場は倒産。作るだけ作ってメンテナンスの無いオブジェや噴水は、苔だらけになり、ホームレスのお風呂です。利便性だけを追求した町に子供の姿はもうどこにも見当たりません。自慢だった犯罪件数の低さはもう昔のこととなりました。
最寄の押上駅は、誰の都合なのか滅茶苦茶な形に改装され、不便極まりなく、駅の入り口から電車の乗るまで何分もかかります。足腰の弱い人にとっては電車に乗れない駅になりました。改装したばかりなのに手抜き工事で雨漏りはひどく、不潔で陰惨な雰囲気です。

もしこれから子育てをするために墨田区に来るという方がいたら、私はもう決しておすすめできません。

私の大好きだった街はもう無くなってしまいました。記憶の中の墨田区は暖かい幸せな場所です。できることならそこで私の子供を育てたかった。ここに墨田区の墓を建てておきます(笑)

平成21年5月25日
愛のある墨田区、ここに眠る

願わくは、再開発や第二東京タワーで皮算用している経済効果が絵に描いた餅であることを、早く行政が気づいてくれますように。