ブコウスキーとジュネ

ブコウスキーとジュネの書く風景は殆ど一致します。日々を日雇いの仕事や賭け事や盗みに費やしながら魂をすり減らし、またその日のベッドを共にする相手を求めては彷徨う刹那的な生き方。そしてそこに価値を見出す思考や反骨精神。
作品中の秩序やモラルは著しく低下し、治安は最悪。労働基準法や消費者保護法など世の中のあらゆるシステムが根こそぎ崩れた不安定な世界です。しかし人間性の魅力とはそうした状況でこそ感じられるものだという価値観が、バラバラに千切れた世界を取りまとめていました。