子供礼賛

一日に一語は覚えていく娘。話しかけると、ものすごく真剣な顔で人の声に聞き入る。まさしく今が一番大事な時。私の持てる言葉と、知識と、情報と、その他私の知る良いものすべてを注ぎ込むことのできる相手がいるという幸せ。これは何物にも変えがたい。
一生子供は産まないとまで宣言していた私だけれど、今はなるべくたくさんの子供を産みたいという奇妙な欲求が湧き起こっている。今すぐ産みたい！
南の島でおいしそうに焼けたアヒルのように黒く太って、籠など編みながらひたすらポンポン子供を産む人生に憧れる。
また私は自分に母性本能が無いと思っていた。だから子供を産む資格は無いと思っていたけれど、母性本能とは私の中から生産されるものではなくて、子供によって無理矢理植え付けられるものだと教えられた。可愛い仕草と姿で、子供は確実に親のハートをわしづかみにする。それはもう力わざ。
これまで私に最も多くを教えてくれたのは、今年で２歳になるこの子だ。人の生物としての初心を見せてくれるので、魂が洗われる思いがする。子供を産むことによるデメリットより、子供を産まないことによるデメリットの方がはるかに大きいと思います。
何かに行き詰まって、八方ふさがりになり、何にも興味が持てなくなったら、子供をつくるといいと思います。大袈裟かもしれないけれど、そこから人生がやり直せる。