素人にはおすすめできない

ケーテ・コルヴィッツを万人におすすめすることはできません。ケーテの作品から低く響くうめき声は、見る者の心を引き裂きます。綺麗な女の涙が好きな人や、砂糖菓子でできた悲劇が好きな人には、ケーテの作品は正視に耐えられません。見なかったことにしてしまいたくなるでしょう。また、陰より陽を信じる人には、ケーテの抱える負の暗黒が背徳にすら見えるかもしれません。ただの悪夢だと否定したくなることでしょう。