2005-08-12から1日間の記事一覧

データを少し

Ka¨the Kollwitz(aにウムラウト) ドイツ人ドイツ生まれの女性。生年1867、没年1945。絵と版画と彫刻を残した。 下の最初の画像について一言。題は「夜の戦場」。息子を求めて累々たる屍の面ひとつひとつにカンテラをかざす老婆。

母、ケーテ

話が逸れました。政治的な意義や作為は抜きにして、戦争と切り離して見てもケーテの作品は素晴らしい。ケーテは戦争を描こうとはしませんでした。反戦のポスターを頼まれた時は数枚描きましたが、どれもこれも特定の誰かを悪だ善だと指差すものではなく、貧…

血の碑

ケーテの暗黒は、ナチス後のドイツの深い反省を象徴するものであり、現在のドイツ社会の内省に満ちた成熟を文化面から支えているといいます。ケーテの作品は、多くの血と涙を流した経験の碑です。二度の大戦がどれほど深く人々を傷つけたのかが刻まれていま…

素人にはおすすめできない

ケーテ・コルヴィッツを万人におすすめすることはできません。ケーテの作品から低く響くうめき声は、見る者の心を引き裂きます。綺麗な女の涙が好きな人や、砂糖菓子でできた悲劇が好きな人には、ケーテの作品は正視に耐えられません。見なかったことにして…

戦慄

つくば県立近代美術館にて開催中のケーテ・コルヴィッツ展に行きました。コルヴィッツは前回ご紹介したバルラハとは反戦の同志であり、また芸術家としてのよきライバルでもあり、互いの作風に深い影響を与え合ったと聞きます。私はこの展覧会にバルラハの面…